地球の反対側で考える(パラグアイから発信)

「パラグアイに行こう」の作者が地球の反対側で考えた事を綴ります。また訪日した感想も綴ります。

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長い間、日本の物作りは世界一と考える人が多かったと思いますし、確かにその通りであったと思います。例えば家庭用ビデオ録画の企画を決める際にはソニーなどのベータと松下などのVHS陣営に分かれて激しく争いましたが勿論両方とも日本の企業であり、日本の中での争いでした。当時世界で売られていたヴィデオ機、テレビなどはその多くが日本製で、その後の自動車と併せて世界で日本製が溢れ、日本が世界一の経済大国であると自負していました。高度成長期の時代には勉強が出来る子供は理工学部に進学するのが当たり前とまで考えられていました。有名大学の工学部に進学する事が秀才の証であるとされ、親も周囲も将来が約束されていると考えられていました。

時代は変わりかなり以前から工学部は不人気傾向にありましたが、ここに来て一段と人気が下落しています。高度成長期に工学部出身者は優遇されたのかも知れませんが、工学部出身者は社会で余り良い待遇を得られなかった事が最大の原因のように思います。高校生が大学を選択する時に「この学問をやってみよう」というよりも「ここの大学のこの学部は就職に有利だ」というのが一般的であると思います。ところが工学部を出ていざ就職を目指す時に同じ大学で遊んで過ごしていた経済学部の学生の方が世間的には良い会社に簡単に就職する現実がありました。会社に入ってもブルーカラー扱いで多くは作業着で泥だらけ、油みれになる余り良い職場環境とは言えない状況で多くは都市から離れた工場や現場で働く事となり拘束時間は長い上、工期、納期、コストなどに多くのノルマを課せられての仕事となります。出世は文系特に経営企画部とか社長室、人事部などの文系ホワイトカラーの人が有利という状況です。日進月歩の技術革新に付いて行かなければならず、幾ら勉強して特殊な技術をマスターしても技術ごと不要になれば無用な人材になってしまいます。例えば歯車の技術者、土木設計技師(土木工事が減り、コンピュータの導入で内容が劇的に変化)などは一度職を失いますと次はなかなか難しいのが現実です。工学部出身の文系就職が増えていますが、これは当然の流れてあると思いますが、本来日本の産業を支えるべき人材が流出しているとも言えます。

工学部の方でも何とか人気の回復を目指し名前を変えて中身を曖昧なものとしてでも学生を集めようとします。当方が学生の時代でもそれ以前は「鉱山工学」「冶金工学」と呼んでいたものを「資源工学」「金属工学」と名称を変更していましたが、これは産業構造が変化しまた技術革新が行われて内容のある名称の変更であったと理解します。しかしながら学生をとにかく集める為に不人気な名称は避け聞こえの良い名前に変更し内容が見え難くなっているように思います。文科系で増加した「国際~学部」と同類のものです。例えば多くの大学で「土木工学」という名称はほとんど無くなり「社会基盤工学」などに呼び名を変えていますが、これでは目指す技術者の内容が不明確になるだけのように思います。これに推薦、AO入試が増え、高校の授業はゆとり教育+単位制となっており、大学時代までもまれずに来る生徒の中で比較的優秀では無い学生が工学部に進学しているのでしょう。数十年前の大学での物理学、化学、数学は難しいものでした。科学技術の進歩でより高度なものが求められている中で基礎が出来ていない学生が大量に進学しているのでしょうから大学の現場は大変だと思います、急激な学生の学力レベルの低下、以前工業高校、そして工業高専で起きたのと同じような問題が起きている事でしょう。

今でも「日本には優秀な技術者多く、世界に誇れる他に追随を許さない高い技術がある」とマスコミなどでは語られています、確かに以前は多くの部品を用意し複雑な設計図通りに間違い無く組み立てる事が物作りの基本とされていましたが、現在は部品が電子部品となり多くがユニット化され物作りの現場は様変わりしています。より安く品質の良い部品を調達して組み立てるかが現在の製造であり、中には自分で工場を持たないメーカーまで現れています。このような潮流に産業界は遅れを取り、更に工学部の教育は遅れているのであれば学生が以前より集まらないのは当然なのかも知れませんね。
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