地球の反対側で考える(パラグアイから発信)

「パラグアイに行こう」の作者が地球の反対側で考えた事を綴ります。また訪日した感想も綴ります。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |


日本の少年や若者に将来何になりたいのか希望を聞くと多分それぞれの状況にも拠りますが「漫画家」「漫才師」「野球選手」「医師」「国家公務員」「なという答えが返って来るのだと想像します。個人的には「科学技術者」とか「エンジニア」という答えを期待したいのですが、余り多くは無いのではないかと思います。日本は科学立国であり、原料そしてエネルギーを輸入し物を作りそれを外国に販売しその利益で食料を購入しています。食べる為の稼ぎは技術力で生み出しているのが日本の基本的な構造です。その意味でもエンジニアは金の卵を産む国の宝というべきものだと考えます。

医師や国家公務員が人気があるのは生活が安定している、高い収入がある、社会的な地位が高いなどという理由からでしょう。公務員の良さはお金を稼ぐ職業では無く使うのが仕事という点です。仕事の大変さ苦労があったとしても会社に勤務している人とは本質的に異なるものだと思うのです。人の苦労というのは見えないものですのでそこそこやっていれば生活が出来、休みも多く取れると考えている若者が多いのでしょう。医師の人気は高い収入と失業の心配が余り無い事、社会的な地位が高い事などが挙げられると思います。医師の給与が高いのは当然で人間の生命を直接扱う職業であり、常に緊張を要求されるからであると思います。またもう一つの大きな要因として常に病人と接しており一番病気にかかり易いからで健康に対するリスクを常に負いながら仕事をしています。この二つの職業に就くには勉強をし、学費として大金を準備するか難しい試験に合格する必要があり、誰でもなれる道ではありません。

最初に挙げた人気のある職業の中で一番簡単になれるように見えて多くの若者に人気があるのは漫才師だと思います。漫才師という職業は誰でも参入が可能な分、相当に競争が激しく、ほとんどの人が途中で挫折しているでしょうし、一度テレビなどに出演出来るレベルに達したとしても一発屋として多くは短期間だけで終わり、長期にわたり人気タレントとして活躍し、生活が出来る人はほんのごく少数だと思います。それでも多くの人がこの道に挑んでいます。聞けば最大手の吉本のタレントになるには最初に付属の学校に自費で通わなくてはならないそうです。アルバイトをやりながらこの学校に通い多くのライバルと競い合いながら可能性を探るのだそうです。ここを勝ち抜いてスポットライトを浴びる事が出来るのは少数であり、その後も絶えず多数の後輩が出て来るので獲得したポジションを維持するのさえ大変です。それでもこの道を目指すのは野球や将棋のプロのように明確な高いレベルを求められる事は無くプロになれる道であり、一見すると誰にでもチャンスがあるように見えるからだと思うのです。それでも多くの人が目指すのは僅かな数ですがスーパースターが居るからだと思うのです。ダウンタウン、島田伸介、ビートたけし、爆笑問題などのスターはテレビで適当にしゃっべいるだけで高額の所得があり、自分もあのようになりたいと思うのは自然だと思います。目指す人はそれが過酷な道であり、狭い門を幾つも通過する必要があることを分かっていてもチャンスがあるから目指すのだと思います。

エンジニアや科学者はどうでしょう。高度成長期、現在の団塊の世代が社会に出る時代は「理工系ブーム」であったそうです。現在と時代が異なりエンジニアが不足していて出世も早く大きな可能性があるように見えたのだと思います。その当時は出来る学生はこぞって工学部を目指す時代であったそうです。時代は変化して会社に勤務するエンジニアというのは社会的な地位はそこそこです。工場や建設現場で作業着で油まみれもしくは埃まみれになって働く必要があります。物作りの楽しさはあるでしょうが、高い安定した品質を求められるのと同時に工期、コストを厳守しなければなりません、作業の効率化、コスト削減は厳しさを増すばかりです。技術の進歩はどの分野にもあり、常に新しい情報を取り入れて勉強して行かなければなりません。またリストラなどのリスクは常にあり、到底安定している職業とは言えません。例えば土木設計の技術者になるには相当の勉強と努力と時間が必要ですが、多くのゼネコンではリストラされた時には行き場、再就職の場所がありません。このように長年掛けた努力が水泡と化す事がよくあります。

それではこの時代に技術者に優秀な学生を呼び込むにはどのようにしたら良いのでしょう。医師や国家公務員のようになればある程度の社会的な地位と安定した雇用もしくは報酬が期待出来る、それと同程度の対価を支払えないというのであれば、漫才師のようなスーパースターが目立つようにするしかないのかも知れません。数年前技術者でサラリーマンであった田中耕一さんがノーベル賞を受けるという事がありました。普通のサラリーマンが一躍スーパースターとなり、エンジニアが見直されました。このようなスーパースターが誕生するチャンスをもっと多く作り讃える必要があるのかも知れません。最近ようやく社員が何か発明した際に報酬が多少は正当に出るようになりました。青色ダイオードを発明した中村さんの場合にはほとんど一人で開発したにも関わらず社員であったからという理由で会社はその利益を正当には配分せず裁判沙汰にまでなりました。これが一つの契機となり発明に対して企業は特別の対価を支払うようにはなりましたが、まだその金額は十分とは思えません。何か大きな発明をして企業に莫大な利益をもたらした場合には数億円単位で支払うべきであると思います、少なくとも一流プロ野球の選手やお笑いのトップ並みには支払いをするべきでその程度の報酬が無いと後に続く人も出て来ないでしょう。学生時代に国際数学コンテストで優秀な成績を収めた学生は他の国では科学者か技術者になるのが普通ですが、日本の場合にはほとんど医師になっているようです。適正、興味は科学技術にあるのでしょうが、医師の方の報酬と社会的な地位の方が魅力的であると考えるのでしょう。エンジニアが高度成長期の時代のように再び職種にならないと日本の将来は危ういものがあり、社会全体として何らの手立てを講じて行く必要があると考えます。


スポンサーサイト












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://tanakapy.blog32.fc2.com/tb.php/61-4647b77c

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。