地球の反対側で考える(パラグアイから発信)

「パラグアイに行こう」の作者が地球の反対側で考えた事を綴ります。また訪日した感想も綴ります。

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今年も企業の決算が良く日本経済の好調さが伝えられています。バブル期を彷彿とさせる報道に日本企業、日本経済の強靭さを感じます。新卒者の就職も非常に好調のようで大手企業の間で争奪戦となっています。ただその内容となりますといささか心配になるのも事実です。一番の要因は円安にあります。現在世界では米ドルが一方的に売られています。ユーロに対して記録的な安値を付けていますが、ユーロだけでは無く、世界の多くの通貨に対して安くなっています。米中間の懸案事項として何時も取り上げられているのが、中国・人民元の切り上げ問題です。米ドルに対してもっと速いペースで元を切り上げるべきであるという議論です。

また南米でもドルに対して通貨が切り上がっています。ブラジル・レアルは常に米ドルに対して強く、当地パラグアイ・グアラニでさえ数年前の最安値では1ドルが7000グアラニを超えていたものが、最近では5000グアラニの水準まで切り上がっています。ドルに対して自国通貨が長期間切り上げ傾向になる経験が無いパラグアイ国民は非常に戸惑っています。そして当地では今後もドルが下がると予想して居る人が体勢を占めていますので、ドルを買う人は少なく余計に下がる圧力となっています。このドルが下がる傾向を示している数年間、物価は着実に値上がりしています。生活実感から約20%程度の物価上昇があったと思います。

この米ドルに対して日本の円は安くなっています。多くの説明を見ますとユーロの金利が上がり、円との金利差が大きくなり資金がユーロに向かっているとされています。確かにこれは正しいでしょうが、マクロの視点では日本売りが進行しているのではないかと心配しています。世界の大資本家達が意図的に日本円安を演出しているのではないかと疑っています。円安になりますと輸出産業の占める割合が大きい日本企業の決算は良くなりハッピーとなり、日本政府も政権維持に有利となります。一方では円の為替を引き下げるとただでさえ低い日本企業の時価総額を下げる事が出来ます。グロバリゼーションの名目で自分に有利な形に次々に日本の法律をハゲタカに有利な方向に変更させて優良な企業を乗っ取る作戦に出ていると見ています。例えば先月施行された三角合併解禁のような形です。この法律を使って具体的にはインド人の経営するミタルが新日鉄を狙っています。新日鉄と言いますと明治の国営製鉄所から出発したトヨタと共に日本を代表する企業であり、製造業の根幹を為す鉄を担う企業です。これが株式の時価総額がどうたら、という話で株式の等価交換か何かの方法でミタルに買収される可能性があります、新日鉄は勿論、日本にとって良い事は何もありません。新日鉄が長年培ったノーハウが全て持ち出されてしまうだけでしょう。

円安を実現出来ますと当然外貨建での時価総額、特にこのケースのように欧州に本拠地が在る企業にとっては下げる効果があります。このままですと日本の優良企業は外国のものになるか、外国に出て行くかのいずれかの形で日本経済の空洞化が一気に進行する可能性があると心配しています。このまま進行しますと主要の製造業は日産のように外国企業所有の企業ばかりになると想像します。そうなりますと日本人が努力して開発した技術、そのエッセンスは全てそれぞれの本社へ持って行かれる事になるでしょう。経済大国・技術立国・日本の看板に危機が訪れるのではないかと危惧するこの頃です。日本から優良企業が無くなり、多額の財政赤字と老人ばかりという全国夕張化現象が現実に起きるのではないでしょうか?
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ここに来て年金問題が大きくクローズアップされて来ています。何でも5千万件の年金記録が誰のものか分からなくなっているそうで、更に数日後には1千4百万件も追加になりましたす。これだけ大量の情報が今ここに来て急に不明になったとは考えられません。関係者の間では自明の事であり、先送りされて今ここで表沙汰になったものと推測します。日本人は政治の不備に余り怒らない国民です。例えば不正を繰り返し、嘘を並べて国会で追及されて最後は自殺した大臣へはもうこれで幕引きという感じです。韓国が竹島を占領しても、中国が自国の海域で石油を掘り出しても、米国が策を弄して利権を巧みに吸い取り、優良企業を乗っ取られても自分自身に余り関係が無い事には強い関心を示さないように見えます。

これに対して今回の年金問題は一人一人の懐に直結する大問題です。他人事には寛容な国民も自分自身の生活に直結する問題には強い関心を示しています。政府は事の重要性をよく理解して何とか事態を鎮静しようと法案を国会に提出し、救済の方向を示しています。ただどう見ても焦りが見え、付け焼刃という印象があり、果たして効果があるのか、また本当に実施出来るのか疑問です。全面解決まで一年という期限を設けていますが、国民はこの期間が過ぎれば残りは「時効」として「解決済み」として処理されてしまうのかと疑心暗鬼になっています。ただグレーゾーンを認めるという処置を取りますと悪用する人達が大勢出て来るでしょう、裏の社会の人達はこれで何とか資金調達・・と考えるのは明らかです。公平さを保ちながら国民が納得出来る解決策を打ち出すのは至難と言えます。しかしながら、ここで国民に不信感を与えるとますます納付しない人が増えてしまう事は明らかです。そうなりますとただでさえ破綻が懸念されている年金システムが崩壊してしまう危険があります。

また社会保険庁のありかたが問題になっているようです。社会保険庁の人件費の他色々な経費が集められた年金資金から支出されているようです。潤沢な資金が入って来るのを自分のお金のように感じてしまっているように見えます。人件費やその他の経費などは税金から支出として、年金原資とは別枠に仕切るべきであったと思います。一度だけ社会保険庁の事務所に行った事がありますが、不思議な雰囲気のするオフィスでした。「30年前の郵便局」というような感じで化石的な印象がありました。競争も効率化も関係が無い惰性で仕事が流れているという感じでした。そしてこの年金資金がどのように使われているのかと言いますと長年財政投融資の原資となりその多くが不良債権化しています。

50歳も過ぎますと日本人の多くは勤労者であり、退職が秒読みとなり、年金を中心とするいわゆる老後の生活設計を考え始めます。何とか60歳まで働くとして年金が支給される65歳までどのようにして暮らして行くのが問題にされています。政府はこの穴埋めの為に65歳まで企業が雇用するように法律を制定しましたが、実際には難しいと思います。現在団塊の世代が60歳の定年を迎えてこれからは年金を受け取る方になります。大量の数のあの世代が全員年金を貰う年齢に到達する7~8年後に本当に年金が滞りなく支給出来るのか、心の底では多くの人は不安に思っているのでしょう、今回その不安な気持ちに火を付けた形となりました。

今後はこの問題から年金制度、年金資金の内容にまで踏み込んだ議論が出て来るでしょう。実際には長年財政投融資として使われて回収が難しいものが多く、問題が積み上がり大変な状況でマグマのように溜まって来ているのが実情でしょう。現状では不安ではありますが、多くの人はまだ自分は年金を受け取れると考えていると思います。日本人はまだ政府や国を信じておとなしくしているように見えます。もしこれが大丈夫では無く、将来の給付は不確実などという見解が出ますと一気に国民の不満が爆発し、おとなしい、政治に無関心と考えられている状況が一変すると見ています。大激変が起きるかも知れませんね、この問題は非常に深刻です。
最近「脱北者」が話題になっています。韓国に住む脱北者は最近一万人を超えたそうです。つい最近までは北出身者は珍しい存在であったのですが、1万ともなれば「普通の存在」になっています。韓国は資本主義の世界で当然ながら競争社会、弱肉強食の世界です。多くの富裕層が居る一方では貧困層も多く豊かにはなったとはいえ、先進国のレベルにはまだ及びません。民族は同じで言葉が同じと言いましても韓国での一般常識を全く持たない北出身者が社会の中で孤立して同化出来ない問題が表面化しています。韓国人でも失業する世の中で北出身者が簡単に仕事を見つける事が出来ず困った存在になっているようです。韓国社会に馴染めず犯罪を犯してしまう人まで出ているようです。50年以上の分断は簡単には埋まらないという事でしょう。

韓国ではこの所「統一」という伝統的なスローガンに対して少々後ずさりをしているように見えます。実際に統一して朝鮮全部の面倒を見ると考えると腰が引けるのでしょう。朝鮮全体ではなくても北から百万人単位で大量の難民が来た場合には社会は大混乱するのではないかと恐れているように見えます。太陽政策はこのような韓国の現状から出た現実的な対応、回避政策と言えるでしょう。朝鮮に崩壊されては困る、中国の属国となっても困る、何とか経済的に自立して欲しいと願っているのは理解出来ます。ただ韓国側の事情からのシナリオであり、前向きな発想から出た政策では無いのは明らかで成功する可能性は低いと見ています。

一昨日日本の青森県深浦に清津からの難民が漂着して話題になっています。1987年1月、今から20年前にズダン号という船に乗って福井県に漂着して以来の事件です。20年前にはまだ脱北自体が珍しく日本に親北の人も多く朝鮮が暮らし易い国であるという主張がまだまかり通っている時代でした。金萬鉄さんとその家族は朝鮮から南の暖かい島を目指しており、目的地は韓国でも日本でもありませんでした。まだ朝鮮の一般庶民には韓国が発展している事は理解されておらず、日本は敵国で直ぐに殺されると信じられていた時代でした。今回は20年経過して様変わりです。最初は韓国を目指していたが、難しいので取り合えず日本に向かったそうで、希望の国は韓国です。韓国や日本に対する情報がある程度一般にも知られるようになっているものと想像出来ます。ズダン号の人達は無知で無垢な印象がありましたが、今回の人達はどちらと言いますと計算ずくのようにも見えます。

さて、今後はどのような事になって行くのでしょうか?1990年代後半、東ヨーロッパ特に東ドイツでは住民の流出が相次ぎました。西側の情報が入り、体制が不安定になり、ついにはベルリンの壁の崩壊、社会主義国家の消滅にまで至りました。これと同じような事が起きる可能性は大きいと思います。ただ脱北者が向かう先は日本では無いと思います。日本は現在に至るまで敵国であり、悪い奴ばかりで到底住めるような場所では無いと教育されて来ているので日本に亡命したいとは考えないと思うのです。向かう先は韓国、そして朝鮮族が多く住む朝鮮族自治区でしょう。そして考えられるのは新大陸です。米国へは韓国人でも入国が難しいので南米へ向かう公算が大きいと考えています。ベネズエラ、ボリビア辺りが受け入れる可能性があると見ていますが如何でしょうか?
近年、日本では南米諸国はカントリーリスクの高い国として投資の対象になり難いと見られているようです。事実アルゼンチンは最近、債務不履行状態、実質的なデフォルトに陥いり他の諸国の経済も冴えない現実があります。

しかしながら日本経済そして日本も同様の道を歩んでいる、むしろ日本の危機・リスクこそ根が深いようにさえ見えます。ある人に「日本は近い将来、ここ数年の間に経済破綻で大混乱になるのでは?」と尋ねたところ、「日本人は非常に賢い国民で大変な事が起きないように皆で努力、対処、解決するから大丈夫」という答えが返って来ました。確かに、この返答はある意味では正しいように思います、現在まで何も起きないように場当たり的に、その場でその時に存在する問題を対処し、その代わりに大きな問題全てを先送りにして来たように思います。外見では日本はバブル期とほとんど変わっていないように繁栄し社会に厳とした秩序が存在し、平穏に見えますがその裏側には財政金融の問題の他に地震・台風など元来日本に存在しているリスクも大きくあります。一度日本のリスク特に経済に関するものをまとめてみます。

(1)地震
自然のリスクとしてはまず地震があるように思います。再三マスコミなどで「関東大地震」「東海大地震」が起きると警告が為されていますが、戦後の機械文明になってからは実際には一度も大地震は起きておらず、このリスクの大きさは推定の域を出ないと思います。東海大地震が起きた場合には直接的な被害も大きいでしょうが、日本の大動脈が寸断されてしまう事は間違い無いと思います。阪神大震災の際に新幹線の桁が落下する事態が生じましたが、幸いにも運転時間外で事なきを得ました。しかしながら運転していない時間というのは一日僅か6時間、次回もこの時間に起きるとは限りません、むしろ確率的には25%しか無く、運転されている間に起きると覚悟しておかなければならないと思います。建設から35年以上経過している東海道新幹線、補修も万全を期しているでしょうが、毎日振動を受けて構造物が劣化しているのは間違いないと思います。被害を受ける長い距離の間に弱い部分が全く無いとは考えられない気がします。もし桁が落ちたらと考えると戦慄が走ります。特に富士市付近では確か高速道路も含めた大動脈が狭い地域に密集しています。もしここが被害を受けてしまったらどうなるのか?日本の経済活動の長期間停滞は避けられないように思います。しかしながら、プレートが日本付近で複雑に衝突している現状ではこのリスクを避ける方法は無いように思います。

(2)火山列島
そして富士山のリスクが大きくなっているように思います。首都圏の隣接した場所にこの火山がある、これは大きなリスクであるように思います。江戸時代まで噴火を繰り返し現在の関東ローム層が出来た事を考えますと山麓地域の開発が進んでいる現代では甚大な被害になるものと予想されます。

(3)地政
次に地政的なリスクを考えてみたいと思います。日本は東アジアの端に位置しており、近代技術が発達する以前、長い期間にわたり鎖国も可能であったほど他の国と離れていました。しかしながら近代に入り、実質的な距離は急速に短くなっています。日本への直接的な脅威は隣国に位置する朝鮮半島と中国です。朝鮮半島が停戦状態になり、既に50年近くが経過しようとしています。経験則ですが、50年が経過するとどのような大事件も「歴史」となり呪縛が解け新しい時代になるように思います。あの世界大戦ですら例外では無く冷戦構造は完全に崩壊しました。朝鮮戦争から50年近く経過してどうやらこの戦争で活躍した(暗躍した)主役達の多くは亡くなり、「歴史」になりつつあるように感じます。北が崩壊して南北が統一するというシナリオが一番現実的であるように思いますが、最も平和的に統一した場合でも大きな混乱が生じる事は必至であると思います。また、日本に存在する在日社会にも大きな影響を与える事になるでしょう。そして場合によっては多くの難民がやって来るでしょうし、復興にも多額の費用がかかり、かなりの負担を日本は強いられる事になるでしょう。振り返りますと、日本が高度成長の発火材料がこの朝鮮戦争による特需であった事を考えれば相応の対応は自然な流れであると思います。そして中国、ここも分断国家として50年が経過しています。さすがに新しい時代に入り経済的には非常に密接な関係となっていますが、政治的には未だに解決の方策が見えて来ません、一方の当事者である国民党が実質的には崩壊し、ますます話し合いが難しくなっているにさえ見えます。この二つの分断国家が隣国であるという世界で最も厳しい状況の中に日本は存在している事を常に意識しておく必要があるように思います。

(4)人口構成・高年齢化
人口構成に関しては言うまでもありません(平均年齢は世界は26歳、日本は41.3歳)。これが50年には53.2歳まで高くなるそうで、今後しばらくは世界最高を維持すると見られるそうです。また日本でいま子ども1人に対し60歳以上が1.5人なのに対し、50年には日本を含む4カ国で「子ども1人に60歳以上が4人以上」と高齢化が急速に進行しており、世界でも例が無い老人大国になろうとしています。日本は年寄りばかりの国になるという事です。老齢化が進むと年金・医療費がかかり、コストが増加するのに対して生産人口は減少して経済を支える層が少なくなる懸念が持たれています。社会コストが高くなると、それを税金等の形で負担するとなり、企業のコスト増に繋がり、国際競争力が失われる事になると思います。また社会が保守化、硬直化し、新しい事態に即応出来なくなることでしょう。そしてインフラの老朽化の問題があります。東京などの大都市では高度成長期に都市の大改造を行い、高速道路、地下鉄などのコンクリート土木構造物を建設して来ました。これらの構造物の大規模な補修が必要になる時期が近づいているように思います。特に大きな要因が無いのに高速道路の桁が落下した・・などという事態が起きる可能性があるように思います。現に新幹線のトンネルでは構造物の一部が落下して電車に当たる被害が生じています。これらのコストも増えて行く事でしょう。

(5)エネルギー
そしてエネルギーの問題があります。自国燃料の確保と言う事で長い間「石炭産業」を保護して来ましたが、政策の転換で現在日本から炭鉱は消えました。自国で生み出しているエネルギーは水力発電などごく僅かであり、その多くを石油・天然ガス等の化石燃料と原子力に頼っているのが現状です。石油は当然ですが近い将来枯渇する資源です。現在までは何とか安価で購入する事が出来ますが、何時貴重品となるのか分かりません。政治的な道具にも利用され易いので、お金があっても必要量を確保出来るとは限りません。日本には寒い冬があります、燃料が無くては生活出来ません、必要なエネルギーを何時までどのくらい確保出来るのか、心もとない気がします。

(6)食料
そして食料、これは戦後飛躍的に生産量が増えて現在のところ、先進国では食料不足が顕在化していませんが、これも人口が爆発的に増加し、世界の多くの場所では飢餓が深刻な問題となっている現状から、ある時必要な量が確保出来ないという事態が来るかも知れません。鎖国の江戸時代には人口が約3千万で静止していました。度々起きる飢饉などもあり、人口が調節されていたのでしょう、現在はこの4倍の人が住んでいます。一旦食料が輸入されない事態となったらどのように食料を確保するのでしょう。日本の食料自給率は非常に低くそれも輸入飼料等を使った生産物を国産として計上したものです。

(7)貿易収支・国際収支
次に貿易について考えてみたいと思います。現在経常収支が次第に悪化しています。このまま推移するとこの数年の内には経常収支は赤字になる事でしょう。戦後の日本の貿易構造は、工業製品を売って燃料と食料を買うというものでした。ごく最近までは日本製品は国際的に高い評価を受けて、絶対的な優位を保って来ました。ここに来てその点が怪しくなっているように思います。高い技術力を底辺で支えて来た中小企業は崩壊状態となり、自動車・家電などの核となる産業も急速にその競争力を失いつつあります。エコノミストは在庫調整とか景気の循環等に注目しているケースが多いのですが、実際経済の根本のところで大きな変化が起きているように思います。このままの事態が進み、増税圧力が高まれば国際的に競争力のある企業は日本から拠点をどんどん外国に移して行くことになるでしょう。その一方で中国などの追い上げは急で、今後日本は何を売って行くのか戦略を立てる必要があるように思います。

(8)国際競争力
その技術力確保のために後継者としての人材育成が急務なのですが、教育の問題は深刻で学生の学力低下が取り立たされていますが、特に理数系の落ち込みは大きいようです。大学の理工学部は文系学部と比較すると拘束される時間は長く、油や泥にまみれながら地道に勉強する必要があります。企業においてある年齢になると技術職の多くは営業その他、他部門に配置転換される事が多く、またもしリストラされた場合には持っている技術が時代に合わない場合には就職も難しいという現実があります。この現実から理工学部に進学せず、経済学部で遊んで過ごして綺麗な事務所でカッコいいディイラーになりたいと思っても仕方が無いように思います。技術者を大切にする社会をもう一度構築する必要があるように感じます。

(9)民間財政
そして財政金融の問題があります。まず株価の低迷に関しては、低迷の要因を個人の資金が市場に入らない事に帰着している議論が多いのですが、現在全企業の決算を総合計すると赤字であり、要するに総計すると日本経済は収益を挙げていないという資本主義としては異常事態が発生しており、収益が上っていないので金利がゼロに近づいており、このような状態で株に価格が付いている方が不思議であるとさえ思います。また、銀行の不良債権が43兆円などと言われておりますが、実際には180兆円にも上るという推計もあります。国が資本を入れて何とか保っている銀行も多いようですが、配当が出来ないと国有化ということで、準備金を取り崩して何とか中間決算を凌いだ銀行が多いようです。銀行株は一本調子で下がり続けています。このままでは大銀行破綻と言うような最悪の事態も有り得るように思います。特融、資本の再注入もあるということですが、それこそ新旧勘定の分離くらい大胆な政策を取らないと問題は解決しないかも知れません。

(10)国家財政
そして国債の問題は更に深刻です。02年度末の国債残高は414兆円、国と地方の長期債務残高は693兆円に膨らむそうです。新規国債が30兆円に抑えたと大騒ぎしていますが、増大している事に何ら変化はありません、借り換えを含めて100兆円に達するのも時間の問題でしょう。銀行が70兆円というかなりの額を引き受けており、もし価格が下がれば膨大は損失を計上する必要があり、たちまち破綻してしまう金融機関も多いと思います。5年以上ゼロ金利を続けた弊害としてこれが経済の前提条件となってしまい、インフレに出来ない経済になっているように思います。表に出ていない、隠れた負債を含めると1000兆円あるという話を耳にします。もし本当であれば金利が僅か1%増えると10兆円の金利負担が生じるということになります。国債の増加を抑えるためには増税しか残されていないと思いますが、例えば消費税を20%にした場合、消費は壊滅的な打撃を受けるでしょうし、優良な企業・個人の流出に拍車をかけることになると思います。破綻せずにこのまま持ち堪えたとしても数年内には予算が組めない事態になってしまうように思います。大胆な構造改革が必要であることは言うまでもありません。

このように列挙しますと日本は実際には「リスク大国」であり、現在の前提条件のほんの些細な部分がおかしくなっても大混乱に陥る危険性を孕んでいるように思います。

この国債ですが近い将来、引き受け手が無くなり暴落する恐れがあります。銀行などが買ってくれないとしても、おいそれと国民が買ってはくれないと思います。一つのアイデアですが、国債をお札と同じような形で発行しては如何でしょうか?勿論あくまで国債ですから償還日を明記する必要はありますが、形や大きさ、外見をお札と同じようにして1万円、10万円札としても使えるように発行するのです。現在お金として流通している「日本銀行券」とこの「日本国債券」が一緒に流通するという訳です。(勿論額面の価値は同じという訳です)「国債券」に関しては償還日には利子を付けて「日本銀行券」と交換する事を明記しておきます。例えば償還期間を5年としますと最初の2年間くらいは「国債券」を手にしても使うかも知れませんが、償還日が近づくにつれて皆タンスにしまい込むと思うのです。残り2年くらいになると5年分の利子が手に入るわけですから使わずにそのまま持っている方が得と考え、多くの国民はこの国債券を保有する行動を取ると思います。これを継続的に行えば流通している通貨量を余り増やさず、結果的に広く国民に国債を保有してもらえる事が出来ると思うのですが如何でしょうか?
学生時代、日本の歴史を勉強している際に江戸時代までは「鎌倉時代」「室町時代」のように政権の交代を区切りとして時代区分をしているのに対して明治以降は天皇陛下の在位を基準にた元号、明治時代、大正時代、というように教わって来ている、これがどうもピンと来ない、と言って西暦でもしっくり来ない。そこで近代日本の歴史を「維新~年」「戦後~年」で眺めて見るとより理解が出来る様に考えますがいかがでしょうか?明治は維新とほぼ同じなのでこれを基準にし、終戦の昭和20年を戦後元年として見て行くという訳です、日本人は戦後50年くらいまでは西暦よりも元号よりも実際の基準としては、この「戦後~年」を使っていたように思います。

もう一度明治維新を振り返りますと、1000年近く続いた武士の時代が終焉し、江戸幕府という地方の武士豪族政権を取り纏める組織が頂点にある連合体のような政権が一気に崩壊し、武士というそれまで頂点に君臨していた階級が消え、両という通貨も消え江戸幕府という国家が消えて新生・大日本帝国が誕生した。第二次世界大戦の敗戦、いわゆる「終戦」という変革もそれ以上の政変で、それまで君臨していた軍人が消えて大日本帝国も消滅、円も新円切り替えで実質的に消え失せた。近代史はまさに激動、それぞれこの二つの変動の際に生きていた人達はそれまで生きて来た社会での価値観を全面的に変更する必要があった訳で非常に大変であったと想像します。

大日本帝国というのは国名からも明らなように帝国であり、具体的には軍事国家であったと思います。国力、国民の関心は専ら軍事であり、戦艦の大きさとか軍人の数が国力を測る基準と考えられていたと思います。経済的には例え蚕という蛾の幼虫が吐き出す排出物に依存しているという心もとない状況であっても軍艦の数が多く軍事が整い、当時の国際法上の「一等国」と名実とも認められれば国民は納得していたのだと思います。一方、戦後の日本国の国力の基準はGDPであったと思います。経済力が全てという宣伝が為されて、世界~位のGDPとマスコミで告げられ、それを一つでも上げるよう努力して来たのが戦後の歴史であると思います。

要するに大日本帝国と日本国を比較する場合には「維新」年号で軍事的に何があったのか、「戦後」年号で経済的に何があったのか比較すると日本の近代史が見えて来るように思うのです。

大政奉還が行われ、年号が明治になり、新政府が誕生し、一気に国際社会復帰を目指しました。維新10年でそれまでの支配勢力である武士の最後の抵抗が西南戦争という形で起きました。維新27年には日清戦争、維新37年には日露戦争に勝利して日本は名実ともに世界の強国にのし上がっています。この頃の日本は実に謙虚で対露戦争でも軍規はしっかりしており、統率も見事であったと思います。軍隊は弱小ながらも立派に機能し、それが勝利に結びついたものと思います。維新47~50年には第一次世界大戦が起き、欧州での戦いを高見の見物しながらドイツが持っていた山東の利権を獲得し、中国大陸にも足場を築きました。この頃までは軍はそれなりに機能していたと考えてられます。

これ以降次第に変質して行き、維新61年には満州事変を起こし、軍の暴走が始まり、以降は軍に政治が引っ張られるという状況に陥り、維新70年には櫨溝橋事件を起こし、中国への全面的な介入を始め、維新74年には勝算の無い対米戦争を始め国家は破滅への道を突き進みます。この戦争でよく理解出来ないのは精神的な面ばかりが前面に出て、国民全体、合理的な思考が停止状態となり、戦争を始めた以上、全体のマスタープラン、要するにどのようにして終戦に持ち込むのかという全体作戦も無いまま南方を占領するという曖昧な戦略だけで戦争をしている。絶頂期以降、過度の精神主義が謳われ、世界が軍艦主体から空母などより起動性が高い装備に変化していく中、日本は大型軍艦主義に固執した。どうも成功体験で思考が停止してしまったように思います。軍がまともに機能していなかったと思います。そして維新77年、敗戦を以って大日本帝国は終焉を迎え、日本軍は消滅しました。

このように振り返りますと、維新15年くらいまでは混沌とした状況が続き、それから30年間くらい高度成長の時代があり、維新45年~55年くらいの時に絶頂を迎え、そしてその後20年くらいで崩壊している。

戦後は戦後6年に朝鮮戦争が勃発し、戦後20年にオリンピックがあり、復興著しい日本を世界にアピールした。戦後26年に済大国日本の展示会である大阪万博を開催し、戦後29年にオイルショックを迎える。そして戦後42年~47年がバブル景気、バブルが崩壊し、戦後53年に山一証券・拓銀が破綻、その後均衡縮小の為のリストラ、合併、破綻が相次ぎ、経済が縮小均衡に向かっている。そして現在戦後58年を迎えている。維新の時と同じように15年くらいの混沌とした時期があり、30年くらいの高度成長期、そして5年間の絶頂期があり・・・

戦後・経済が維新・軍事のように進みますと破綻の方向に進む事になります。両者を比較すると5年くらい戦後・経済の方が進展が早いように思われます。そうしますと戦後70年くらい、後10年ちょい位でまた大変革があるという推論が出て来ます。大変革の後は15年混沌の時代があり、高度成長を迎えるという同じパターンを繰り返す事が出来るかも知れません。その時の価値、「軍事」「経済」に続く国力の基準、国民の関心の中心が何になるのか想像する毎日です。


高度成長の時代までは「日本は世界で何位」のようなニュースが多かったように思います。戦後ほとんど何も無いような状況から出発し、冷戦化での戦争特需などがあり奇跡の経済復興を成し遂げ、自他共に認める経済大国になるまでは世界に存在を認められようと日本は謙虚に努力を積み重ねていたように見えます。外国への進出も如何に多くの国に自社の旗を立てるかの競争であったように思います。知的な事は欧米人が上でアジア人の製造した電化製品や自動車など良かろうはずが無いと考えていた当時の人達に売り込む努力を重ね、信用を積み上げ、「日本ブランド」を確立しました。当時の人達のご苦労は大変なものであったと想像します。

バブルの80年代に日本は慢心して感覚が麻痺してしまったように見えます。謙虚が不足している、自分を特別な存在と思うような傲慢さが見て取れるのです。テレビで一例を挙げますと「アジア」という表現が出て来ますがほんとどの場合「日本を除くアジア」の意味に使われています。日本はアジアに入らないと考えているようです。その一方ではアジアの中核としての役割などというと日本がその中心になるべきである、と思っているようです。あるテレビのドキュメンタリーで競争が激化している中国市場で日本のある有名家電メーカーが苦戦を強いられ、その際に「おかしいなあ、ブランドがあるのに」と自社のブランドを過大評価している姿を映し出していました。確かに日本のメーカーは一時代を築きましたが、もう日本ブランドで売れる時代は終わりつつあります。南米の家電センターとなっているエステ市でも以前は日本メーカーの電化製品が大半を占めていましたが、現在は韓国製品に占領されてしまっています。三星、LGなどの製品が中心となり、DVDなどのディスクも韓国メーカーのものとなっています。最近家電メーカーの決算が悪いようですが、この状況では仕方が無いと思います。

自動車は豊田、本田などが世界の人気で市場を席巻しているように見えますが、現在売れているのは数年前の製品の良さの為であって、現在の製品の良さで売れているのでは無いと思います。これは家電製品と同じで数年後には家電製品と同じように韓国メーカーの自動車に取り換わられるのではないかと心配になります。最近の現代自動車の見た目の良さは大したもので、ユーザーに聞きますと以前のような問題は無い、非常に良くなったと言います。何も日本車で無くても良いではないかという気分が日本人・日系人の中にも生じていて少しづつ韓国車に乗る人が増えています。日本メーカーの自動車との差は小さくなっているので価格面での差が大きいだけにユーザーは後数年後には韓国車に対して抵抗無く買うようになるのではないかと想像しています。

南米に住んでいて感じるのはこのまま放置しておきますと全ての点で日本抜きが始まるのではないかと感じます。世界の他の国にとっては日本が無くても貧乏になって生活に困るような事があっても他所事で別に関係ありません。外での実態と日本人の意識とのギャップは大きいものがあります。例えばフィリピンから介護士を受け入れる事になったそうですが、実際にフィリピンの人が希望するのはカナダやイスラエルであり、日本へ行きたいと思っている人はそれほど多くはありません。「日本というすばらしい国に入れてやるから高いハードルを満たして来い」というような姿勢では到底良い人材を確保するのは多分難しいでしょう。日本が魅力ある国であり、活力溢れる国であること、世界に日本シンパを多く作る事、そして在外の日本人・日系人という財産を大切にする事が望まれます。老人ばかりの国に将来はありません、如何にして子供を増やして行くのか、本気で考えなくてはいけません、外国から留学生をもっと大量に受け入れて日本のファンになってもらう努力をしなければなりません。そして在外邦人を棄民として切り捨て日本で3K要員として使い捨てするだけでは余りにももったいない、日本の大切な財産である事をしっかりと受け止め、育てていく必要があると考えています。
小さい時に何が好きかと尋ねられたら多分「電車」と答えていたと思います。電車は乗るもの見るのも大好きでした。これは、生まれたのが東横線と大井町線が交叉する自由ヶ丘(現在は自由が丘)の直ぐ近く、赤ちゃんの時には毎日自宅前を通る大井町線の電車を見て育った事にも関係しているのかも知れません。電車が通る度に万歳をしていたそうです。小学生の時には時刻表を毎日眺めていました。特急、寝台特急、新幹線・・楽しい夢の本という印象があります。ところが近年近代化、合理化の名の元、多くの路線、特にローカル路線の廃止が目立っています。またモータリゼーションの発達からか路面電車も姿を消しつつあります。これは実に寂しい事であると思っています。

その中で最近路面電車に関して新しい動きが2つあり注目しています。まずは都電荒川線に見た目は昔の電車というのが登場した事です。中は昔懐かしい雰囲気、以前都内中心街を走っていた都電をよく現しています。世界にはまだまだ路面電車が走っており、特にドイツなどの欧州では都市交通機関の中核を担っているケースも多いようですが、日本の路面電車と雰囲気が異なります。都電荒川線の終点の早稲田付近でほぼ直角に曲がる地点があり、そこで撮影した写真がよく出ていますが、「日本」を感じさせるものになっています。広島、岡山、長崎、熊本、鹿児島など路面電車が活躍している街は多いのですが、どこでも「日本」を感じさせるものになっています。懐かしい日本の風景の路面電車を存続して欲しいものですね。

そしてもう一つは富山のケースです。こちらは廃線となるローカル線を活用し、一部を路面電車にしてしまうというもので、具体的には富山市内を走る赤字ローカル線をライトレールとして復活し活用しているというものです。ライトレールと英語にしてますが、要するに「軽便鉄道」手軽に利用出来る鉄道という事でしょう。JR西日本の富山港線は戦争中に国鉄が既存の私鉄を買い取った路線で、駅間が短く路線も全長で8キロしかありません。路線名の通り富山市街地から海岸まで走る路線で大体が市街地を走ります。こちらは日本製の電車ですが、従来の日本の路面電車とは違うドイツかスイスの電車?と思うような雰囲気で、欧州センスの車両が使われています。電車と言いますとバスなどに比べると大きく「乗るぞ」と気構えてから利用するという印象がありますが、このライトレールはバスと同じような感じで気軽に利用する事が可能です。敷居が低いという感じですね。また、駅とは呼ばずに停車場としているようです。途中駅を増やして利用し易くしているのと一番良いのは15分間隔で運行している事です。JR時代の廃線前のこの路線では一時間間隔が普通で日中の一番閑散としている時間では2時間開いている事もあったそうです。利用する立場からしますとこれでは使えないという感じです。料金は200円という事ですが、以前利用が少なかった日中に関しては何と「100円」にしています。この料金の安さ、利便性が受けて乗降客は当初の予定よりも多くライトレールは順調に走り出したようです。東京で言えば「東急世田谷線」という感じであると思います。

今回のこの富山の例は既存の路線を活用していますが、今後は新規にライトレールを導入する動きが出て来るのではないかと想像します。地下鉄と比較してかなり建設費が安く、自動車に頼っていては渋滞を引き起こすだけなので、今後はこのような鉄道が地方都市を中心として増えて来るのではないでしょうか?車両にも工夫がなされてデザイン、乗り心地を競い、それぞれが観光の目玉になって行くかも知れません。鉄道ファンにとっては楽しみが増えました。
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