地球の反対側で考える(パラグアイから発信)

「パラグアイに行こう」の作者が地球の反対側で考えた事を綴ります。また訪日した感想も綴ります。

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日本の国際放送で「海外安全情報」という番組があります。治安情勢や健康情報を提供する番組であり、外国を訪問する日本人に向けての情報番組です。イラクを始めとする西アジアの情勢を見ていますと好奇心から物見湯山で訪問すると殺害に遭い拉致されるなどの危険があり、その場合には多くの方に迷惑を掛ける事になりますのである程度の情報提供は必要であると思います。

ただし、情報の中身を吟味して確かな情報を提供する必要はあると考えるのです。例えば「クーデターが起きた」というニュースが流れますと国中が大混乱になっていると日本人は想像します。大体の場合には首都の中心部に戦車が登場するというような緊迫した状況の映像が出てテレビを見ているとその国全体が大混乱しているように思います。確かにそのようなクーデターもあるでしょうが、多くの場合は一部の限定された地域だけで事件が起きている事が多いようです。最近タイでクーデターがありましたが、数日前からのニュースを眺めていたので、ほとんど市民生活には影響が無いと想像していましたが、日本では「タイでクーデターが起きた、渡航を控えよ」というアナウンスが事務的に出ます、あるテレビ局が空港で旅行者にインタビューしていましたが、「詳しい情勢が分からないので困る」と皆さん訴えていました。国民、特に渡航をされる皆さんに正確な情報を伝えるのが目的で無く、何か事件に巻き込まれた際の関係者としての責任逃れの為に「危険情報」を出しているように思うのです。想像した通り市民生活にはほとんど混乱も無く直ぐに騒ぎは沈静化しましたが、情報を出す時にはもう少し中身を見極める必要があったと思っています。

当地ではこの夏雨が多く「デンゲ熱」が大流行しました。確かに多くの方がこの病気に罹り大変でしたが、旅行を取り止める程では無いと思っていました。しかしながら多くの訪問者がアスンシオン市は危険であるという事で旅行を取り止めてしまったようです。日本からサッカーチームの遠征の予定もあったようですが、これも中止となりました。何か事件が起きると殊更に騒ぎ立てるように見えるのです。パラグアイは日本よりも広い国土を有する国家です、何かあると全土が危険になるという訳ではないのです。

思い出すのは阪神淡路大震災の時に神戸の中心部が火災に巻き込まれ、高速道路が落下し中心部では大きな建物が倒壊しましたが、日本に留学に出しているパラグアイ人の家族が自分の子供が被災したに違いない、もしかしたら死んでしまったのではないかと悲痛な思いで心配していたのを思い出します。聞くと息子さんが大阪で勉強しているとのことで、「大阪では被災したという話は無いので大丈夫」と言ってもテレビでは神戸の街が広範囲に火事になっている様子が映し出されおり、直ぐ近くで起きたので巻き込まれたに違いないと説明しても納得しませんでした。十分な情報があり、国内事情を正確に把握出来る日本人には早い段階から被災地域を特定出来ますが、外国の人にとってはよく理解出来ないのは当然でしょう。勿論このご子息は元気でその後間も無く連絡が取れて喜んでいましたが、この例からも外国の出来事をある程度内容を正確に把握して伝えるのは難しい事であると思うのです。

最近当地で誘拐事件がありました。日本国籍を有する方が被害に遭ったという事で大きな騒ぎになりましたが、日本のマスコミの大騒ぎと比較しますと日系社会は極めて落ち着いて対応していたように思います。当地では誘拐された方が社長を勤める会社がどのような会社であり、現地社会、政府とのやり取り、背景を知っており、ベースになる知識を持っていたからだと思います。事件は皆さん無事に開放され、容疑者もかなり拘束されたとの事で良かったとおもいますが、日本のほぼ全部の新聞テレビが当地に取材に来て、毎日報道しますとパラグアイ全土が危ないような印象を与えます。良い情報、楽しい情報、前向きな情報を発信してもほとんど取り上げないマスコミですがマイナス情報、ネガティブな情報には飛び付くようです。このような事では当地日系社会が努力して日本に向けて投資等の情報を発信しても二の足を踏むことになるのでしょう。

国外から観ていますと日本は急速に治安が悪化しているように見えます。事件が続出している状況からしますと海外安全情報を提供するのであれば、国内安全情報もしくは国際放送では在外邦人向けに「訪日安全情報」を提供した方が良いのではないかと思っています。「長崎市では市長選挙中の市長が市街地で銃撃され殺害されるという事件が発生しました。90年にも当時の市長が発砲され、重傷を負う事件が発生しています。長崎市では最近、資金源の新たな獲得を目指し暴力団の動きが活性化しており、長崎市中心部では一人で歩かない、夜の繁華街には近寄らない等の対策が必要と考えます」次に「町田市では暴力団同士の諍いから市街地のコンビニエスストアーの前で発砲殺害されるという事件が発生し、犯人は近くのアパートに立てこもり近づく警官隊に発砲を続けるという事態に発展し、15時間にわたり付近周辺への立ち入りが極めて危険な状態となりました。アパート近くには犯人の所属する暴力団事務所があり、事件後も極めて危険な状態となっています。この為町田駅近くを歩行する際には十分注意する必要があります」とでもなるのでしょうか?もしこのような紹介がある場合には地元の方達は「暴力団同士の抗争」「市長を恨みで狙っていてるだけ」と説明し、一般市民は全く問題は無いと力説する事でしょう。当地でも同様でそれぞれの国での事情があるのは当然です。もしアスンシオン市が危険というのであれば、長崎市、町田市も同等それ以上に危険として欲しいものですね。他国の情報を一方的に分析無しに流す事はその国に住んでいる人、特に邦人に多大な影響を与える事をよく分かって欲しいものですね。


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国際大競争時代となり次第に世界の中での中国の台頭もあり、日本の姿が小さくなっているように感じます。この先日本の将来はあるのか、と不安に感じる人も多いと思いますが日本人はもう少し自国の良さと利点を認識する必要があると思っています。一番の利点は日本社会の大きさ、懐の広さにあると思っています。人口、面積の割には日本は非常に大きく、社会は懐が広いという最大のメリットをもっと日本人は意識しても良いと思うのです。

ある日本の番組で、売り上げを伸ばしている安売りスーパーを紹介していました。その努力もたいしたものと感心するのですが、一番驚いたのは商品の仕入れ会議です。食品仕入れ担当のバイヤーが色々なものを数百点持ち込みこの中で厳しい審査で70点が合格となったというのです。ここで取り上げられたのは厳選された商品であると思います、それがどの程度の頻度で開催されるのか知りませんが、ごく普通に一週間に1回程度、定例的に行なわれているように見えます。そこに出される商品が数百点もあると言う事がまず驚きです。世界は広いでしょうが、これだけ候補となる商品が常に存在する国は無いと想像します。製造する側も厳しい消費者に対して常に新商品を出しているのでしょう。日本に行くと何でもある、買いたいものが多いと感じるのはこのような競争を勝ち抜いた商品だけが店頭に並んでいるという訳です。日本人であればこれは当然の事なのでしょうが、外国の視点から見ますと驚異的な事であると思います。

例えば文房具、日本では「このようなものが欲しい」と探すとまずありますし、感心する商品が並んでいます。では外国ではどのようになっているのでしょう。当地を始めブラジルなど南米諸国ではまあ使えそうな商品が大量に並んでいます。鉛筆などは芯が真ん中に無く機械式の鉛筆削りで削りますとずれているのがよく分かります。一方日本製の鉛筆を削りますと綺麗に芯が中央にあるのが理解出来ます。一旦マーケットを独占すると他の商品が入り込む隙が無くなり、また努力もしなくなるのでしょう。消費者もある程度の商品で満足してしまう傾向があるように見えます。書ければ良いという筆記具、入れば良いという容器が並んでいます。どのような商品に関してもライバルが多く常に切磋琢磨して商品開発を常に行なっているのは日本だけであると思うのです。他の国では世界にライバルがある商品では同じように商品開発が行なわれているでしょうが、条件としては大きなマーケットがある事が挙げられると思います。ある番組でインドで日本のメーカーがクーラーで苦戦している様子が出ていましたが、このような大きなマーケットがある主戦場ではどこの国でも努力をしているのでしょう。日常品やマーケットが小さいものまでも必死に商品開発が行なわれているのは多分日本が一番であると思うのです。この特性を生かして世界のニッチな部門へ進出して行けば日本はまだまだ戦えると思うのです。

そしてもう一つ感心した番組が「熱中時代」という番組です。ある意味おたくが出て来るのですが、普通で無い趣味に熱中している人が登場する番組なのですが、こんな事に熱中している人がこれほど居るのか感心するばかりです。これが特殊な人とか特別な高等教育を受けている人では無くごく普通の人である点がすごいという事です。例えば金融機関の現金を入れる封筒を集める会があり、それぞれのお宝を持ち寄り分け合うとか、山城巡りを趣味にしている人は一人で研究者並みの調査をしています。他の人が到底真似が出来ないような超極ミニの盆栽を作る人はビルの管理人で費用を捻出する為にアルバイトで新聞配達までしているというのです。このような人達の積み重ねで日本は非常に懐の大きい、そして多様性がある社会を作り出していると思うのです。これは日本文化が純粋培養された江戸時代から続く日本社会の特色であると思います。欧米型のスタンダードを適用し、日本的な良さを排除してしまう一見合理的な動きが色々な場面で見受けられますが、今こそ日本とは何か、自国の利点はどこにあるのかしっかりと見つめ直し将来を見据える必要があるのはないかと思うこの頃です。
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